チーム紹介:打撃編①
ワンチャンスに全力で襲いかかって勝つ!

日立製作所打撃陣、都市対抗でどんな戦いを見せてくれるでしょうか。岩﨑恭平・打撃コーチに聞きました。


3塁コーチとして選手に指示を出す岩﨑コーチ

「打撃とは、短期間に急激に良くなるものではないし、都市対抗ともなればそう簡単に打てるものではない。だから、大事なのは“戦い方”。我慢して、我慢して、チャンスが来たら全力で襲いかかる。また、ヒットでなくても、常に相手にダメージを与える、いやらしい攻撃をめざす。そして、今季は、そういう戦い方ができている」

そして、「ベストと言えるゲームだった」と岩﨑コーチが指摘するのが、都市対抗2次予選(北関東大会)の第1代表決定戦です。
8回に、東怜央(ひがし・れお)選手⑨のセカンドゴロの間に、3塁から野中祐也選手⑦が生還して1点。これを守り切って1-0で勝利した一戦です。

8回に、各選手の持ち味つなげて襲いかかる

この試合は、両チームとも無得点が続きました。0-0で迎えた8回、日立製作所が襲いかかります。
まず、この回先頭バッターの主将・野中祐也選手⑦。ファウルで粘った後の7球目、低めの球をうまく拾ってセンター前ヒット!野中選手らしい巧打で出塁します。そして、1塁ベース上で、掛け声を出しながら両手を前に出し、下から上に振り上げ、「ここが勝負どころだ!」とスタンドとチームを鼓舞します。


まず野中選手がチャンスメーク

 

次の3番・森下翔平選手①は打席に立つなり、テンポ良く初球をうまく転がしてバントを決め、試合の流れをさらに引き寄せました。


テンポ良くバントを決めた森下選手

 

そして、4番・田中政則選手㉓。持ち前の勝負強さを発揮し、低めの変化球をしっかりとらえてライト前ヒット=写真

ミスター日立・田中選手がしっかり役割を果たせば、3塁に進んだ野中選手は気合をみなぎらせて声を出し、試合を盛り上げます

東選手の的確な判断が生んだ、”いやらしい”攻撃

ここで5番・東玲央選手⑨を迎えます。場面は1死1、3塁ですから、相手の選択肢は二つ。バックホームを狙うのか、ゲッツーを狙うのか?

東選手は「守備が後ろに下がったのでゲッツー狙いだと分かりました。僕は足が遅いので、ゲッツーを取りやすいと判断されたのかもしれません。しかし、僕がうまく転がせば、1アウトは取られても、2つめのアウトは阻止できる。その間に3塁の野中さんがホームに還ることができます。だから、うまく転がすことだけを考えました」と振り返ります。

東選手は球を当てやすいよう、バットを短く持ちました。そして、1ボール・2ストライクから、相手投手の投げるきわどいコースの難しい球に懸命にバットを当て続け、3球連続ファウルにして粘ります


ファウルで粘る東選手

そして7球目。外側に来た球に、投げ出すようにしたバットを当てると、狙いどおりの、ぼてぼてのセカンドゴロになりました。


東選手、投げ出すようにしたバットにボールを当て、うまく転がしました!

相手野手が2塁で田中選手をアウトにした後、1塁に球を投げるも東選手はセーフ!この間に、野中選手が還って待望の先制点! この1点が、決勝点になりました。

野中選手の巧打と気合い。森下選手のテンポの良いバント。田中選手の勝負強さ。そして東選手の粘りのセカンドゴロ。我慢した末の8回に、それぞれの持ち味をつなげ、まさに全力で襲いかかって1点をもぎ取りました

ファウルで粘った末に、なんとかバットに当ててゴロを転がした東選手のプレー。岩﨑コーチは、このようなプレーはいやらしく、投手にダメージを与えると言います。

「野中選手、東選手、佐々木俊輔選手⑧、宮慎太朗選手⑥、諸積怜(れん)選手㉖らの粘り強さと、森下選手、田中選手、大塚直人選手㉔の力強さが組み合わさって勝利する。第1代表決定戦で見せたように、今季の打撃陣はこういう展開ができています。都市対抗も、楽しみにしていてください!」

リンク:初戦は7月21日!日本新薬と対戦!-日立製作所野球部2022 (hitachibb.com)
リンク:第93回都市対抗野球組み合わせ