今の日立製作所打線の自慢の一つは、大型選手のそろった重量級の上位打線。
(写真左から)
182cm、90kgの大塚直人選手
180cm、93kgの森下翔平選手
183cm、95kgの東怜央選手
181cm、93kgの田中政則選手
の大型4選手は、打席に立つだけで迫力満点ですが、ホームランや長打を放ち、日立製作所スタンドを盛り上げてきました。
大きな体格を長打につなげるための工夫は、意外にも選手ごとに大きくちがうとか。
そこで4選手に、どうやって遠くへ飛ばしているのかを、語っていただきました!
20年にわたり、長打を量産し続けている田中政則選手
――皆さんは、いつもホームランや長打を放って勝利に貢献しています。大きな体格から生み出されるパワーを、どう長打につなげているのかを教えてください
田中選手 野球は道具を使うスポーツです。打者の場合はバットをうまく使えば、飛ばせることができるわけです。常々、道具をうまく利用していかないといけないと考えています。
大塚選手はバットが重い
――バットに力を込めて、そのパワーで遠くへ飛ばしているということでしょうか
田中選手 それは大塚選手のスタイルです。
私の打撃は、大塚選手とは真逆というほど違います。よく「パワフル」と言われますが、そう見えているだけ。パワフルに見えるなら、わるいことではないので否定したりはしませんが、私は、スイングのスピードを利用して打っています。
しかも、年々、むしろ力を抜いて球を打つようになってきました。自分では、バットに球を乗せて運ぶような感覚で打っています。
対して、大塚選手は重いバットで、それこそパワーで打つタイプです。
大塚選手 僕のバットは920gです。
重いバットでホームランを打ちまくる、大塚直人選手
田中選手 重いね。バットは10g変われば、打撃がかなり変化しますが、920gは重い。
バットでボールを打つ時に、関係しているのはバットの重さとスイングスピード。バットが重いほど、また速く振れるほど飛びやすくなります。
当然ですが、軽いと振りやすいが、軽すぎると飛ばなくなる。つまり、バットは、重量とスイングスピードのバランスを考えて選びます。私も920gを使っている時期もありましたが、今のバットは900gです。
大塚選手は、より重いバットで、力を込めて打つパワーバッターというわけです。
まさにホームランバッターの森下選手
打球が上に高く上がる、森下翔平選手のバッティング
――森下選手、東選手も重いバットを使っているのでしょうか
森下選手 僕のバットは880gです。
田中選手 森下選手は体の使い方がとてもうまい。打つ時の、体の回転が速いんです。打球の上がり方が素晴らしくて、上に高く上がる。まさにホームランバッターです。
大塚選手のパワーで打つホームランも、よく知られているように飛距離があります。
私の場合、ホームランはたいてい、ライナーでギリギリ入ります。
森下選手 いっぱい食べて、こんなに大きくなりましたから、たくさん打たないと。
東選手、重めのバットで打撃力アップの予感
東選手、先輩のアドバイスで成長中!
東選手 僕のバットも880gでした。でも僕は、森下選手みたいにスイングにスピードがあるわけではないから、打球が飛びにくく、単打が多い。そんな僕を見て、田中選手から、バットを重くしてみたらどうかとアドバイスしてもらいました。
渡邊翔太選手が、「自分の900gのバットを使っていいよ」と1本くれたので、使ってみたら、これが、ぜんぜん違う。びっくりしましたね。ムダな力を入れずとも飛ぶ感じでした。
田中選手 道具をうまく使わなきゃね。
あと、筋トレもいいと思います。東選手はバッティングがうまいから、力強さが加わればさらに伸びるでしょう。
大塚選手 筋トレについて言えば、いま、東選手は僕と一緒に鍛えているんですよ。 ここからは座談会(下)でお話しします!
重量級打線の活躍が楽しみな、第47回日本選手権。
日立製作所の初戦は、11月1日(火)午後2時~!京セラドーム大阪で、相手はJR九州です。