日立製作所の日本選手権の戦いぶりについて、2試合を観戦した熱血ファンの、長澤さん、増子さん、ゆりりんさんに、試合を振り返っていただき、2023年シーズンへの期待を語ってもらいました。
1回戦:素晴らしかった青野投手
長澤 1回戦は青野善行投手⑭のベストピッチングが勝利に大きく貢献したね。
球にキレがあって、伸びていた。コントロールも良くて低め、低めに決まって、11奪三振。素晴らしかった。
増子 青野投手は本当に好投した。低めに集めて、ストレートも最速149キロ。1回、JR九州の手ごわい4番・山田遼平選手を、147キロのストレートでズバッと三振。1回にいきなり3三振。2回も2三振。球が走っていて、いいピッチングでした。
ゆりりん 私は田川賢吾投手⑱のリリーフをあげたいと思います。7回に追いつかれてなおも2死一塁というピンチ場面で登板。想定していたより早い登板だったかもしれないのに、まったく物怖じせずにきっちりおさえた。フォークがビシッと決まっていましたね。8回、9回も投げて結局1安打で四死球はゼロ。度胸あるピッチングが勝利を引き寄せたと思いますね。
あと、青野投手は本当にすばらしいピッチングでしたが、私は鮎ケ瀬一也捕手⓪の好リードの影響が大きかったと感じています。青野―鮎ケ瀬バッテリーは、大学時代も組んでいただけに息ぴったり。青野投手は緩急をつけて相手打者を翻弄していましたが、鮎ケ瀬捕手の好リードが青野投手の好投を引き出したと思います。
増子 打撃はやっぱり、ホームランを打った佐々木俊輔選手⑧、勝ち越し二塁打を放った森下翔平選手①、6点目となるタイムリーヒットを放った野中祐也選手⑦が良かったね。
ゆりりん 決勝打を放った森下選手はさすがです。そして野中選手の一打は執念のタイムリー。ぼてぼてのゴロでしたが、ヘッドスライディングでセーフとなり、1点追加。あのプレーには勝利への執念が見えましたね。
佐々木選手は初回にレフトへのヒット。2打席目に先制となる2ラン。すばらしいリードオフマンです。
増子 野中選手はいいプレーをしますよね。野中選手らしいタイムリーでした。
長澤 あと、捕手が中園雄一郎捕手⑫に変わった途端、盗塁を狙いまくっていたJR九州のランナーがぴたりと走らなくなったね。中園捕手の強肩は、頼りになるなと改めて思いました。
増子 日立製作所が無失策だったのも大きいですね。JR九州はエラーが2つありましたが、初戦はどうしてもガチガチになるもの。日立製作所はよく守り切りました。
ゆりりん 宮慎太朗選手⑥の守備もあげたい。元気よくチームを鼓舞して盛り上げていました。あとライトの三倉進選手㉕。誰よりも肩が強くて、足も速いので守備範囲が非常に広い。いるだけで存在感がちがいましたから、相手打者は打ちにくかっただろうと思います。
2回戦:課題は”あと1本”
長澤 2回戦は、先発・岡直人投手⑪のピッチングが良かった。打線がつながらなかったのが惜しまれる。
増子 三菱重工Westの先発・鮫島優樹投手のチェンジアップにやられた。日立打撃陣は、タイミングをうまく外されて、勝負をさせてもらえなかった。
ゆりりん 日立製作所は盗塁を4つも決めて、チャンスは1回戦以上に作っていたようにも思いましたけど、あと1本が出ませんでしたね。
増子 三菱重工Westは先発の鮫島投手が技巧派で、2番手、3番手に速球派を起用した。タイプの違う投手が出てきて、日立にとっては打ちにくかったと思う。
ただ、鮫島投手の投球は冴えわたっていたが、そうは言っても日立攻撃陣もチャンスは何度も作っていた。前半に何とか得点して、流れを持ってきてほしかったですね。
長澤 打線がちょっとチグハグで、もったいなかったね。
ゆりりん 岡投手の調子が良かっただけに。
増子 岡投手も2番手の青野善行投手⑭も良くて、2点しか取られなかった。相手の4番にやられただけでした。ただ、十分いい投球だったんだけど、トーナメントで優勝するには、どうしても接戦をモノにしなくてはいけない。とすれば、打撃陣が点を取れない時は、投手陣が1点もやらない、という集中力で投げる必要があるかもしれない。
長澤 私は、どんなことをしても先取点を取ってほしいと思いますね。泥臭いプレーでとにかく1点をもぎとる。そうすると、選手も気を楽にしてプレーできる。
ゆりりん 2023年は「何としても勝つ!」という、これまで以上に強い闘争心で、優勝をめざしてほしいですね。あと、東怜央選手⑨推しの身としては、2回戦の最大の山場だった8回表、一打逆転の場面で代打を出された悔しい経験を、2023年に生かしてくれるのを期待しています。
増子 選手個々の力は常勝チームにも引けを取らず、間違いなく優勝できるレベル。あとは、トーナメントをいかに勝ち抜くか。冷静かつ巧みな試合運びで、2023年こそ優勝してほしいですね。